トップ > コラム > 「マラソンの秋」準備講座

たとえば10月最終週に開催される大会が目標レースである場合、これからの3ヵ月間をどのように過ごすべきでしょうか? まず、3ヵ月を大まかに12週間と捉えると、その半分の6週間が基礎のカラダづくりとリカバリー(回復)の期間とし、残りの6週間の前半3週間を実戦練習期(追い込み強化期)、後半3週間をリカバリー&最終調整期と考えると良いでしょう。さらに前半6週間は、2週間のカラダづくり→1週間のリカバリーというサイクルを2回繰り返すのがお勧めで、日々の練習量・強度を調節してほしいと思います。この時期は真夏にあたり、たとえ夏前と同じ練習量でも、暑さでエネルギー消費量が多くなり、心身ともにランニングがよりハードに感じるはず。無理は禁物ですが、暑さに負けず何とか練習回数を落とさないように努力を重ねることが、レース本番の自分を支えることになるのです。それは体力面だけでなく、レース終盤の苦しくなる頃に「夏の頑張りをムダにしないためにも、頑張らなきゃ!」、「暑い夏にあれだけ頑張れたのだから、もう少し頑張れるはず」と、くじけそうな気持ちをもう一度立て直す精神的な支えとなってくれるのです。夏場の練習については、前回の「夏ランガイド」をご参照ください。

※レース対策については、カテゴリー別過去記事一覧で『■レース前の練習と心構え』を、暑さ対策については、カテゴリー別過去記事一覧で『■自己管理のノウハウを身につける』も御覧ください。

秋のレース本番に向けた今からの準備として、もうひとつ始めておきたいのが、レースで使用するランニンググッズのチェックです。とりわけ重要なのがランニングシューズ。たとえば春にシューズを新調したものは、夏の終わりごろまでには、練習の積み重ねで消耗が進み、本来の性能が維持できなくなっていることが多いのです。特にアウトソール(靴底)の劣化は要注意。フォームのクセでカカトの左右どちらかが明らかに擦り減っていたり、ソールパターン(刻まれた溝)が薄くなっていたりする場合、着地時の衝撃吸収やグリップ、姿勢の補助が不十分になり、思わぬ故障発生につながりやすいのです。そんな場合は迷わず新しいシューズを購入しましょう。また、新品のシューズは、たとえそれまでと同じモデル・サイズであっても、現状のものとは履き心地や機能性が異なるので、最低でも1ヵ月以上は履き続けて足に慣らしておきたいところ。さらに本番までの劣化を考えた場合、できれば同じものを2足同時に購入して、交互に履き分けておきたいもの。それなりの出費は強いられますが、本番での不安や後悔を防ぐための必要経費(もしくは先行投資)と捉えてください。
シューズ以外にも、ランニング専用のソックスやウエア、アンダーウェア、キャップ、サングラス、リストウォッチといったレース本番で身につけるアイテムについても、慣らし期間を考慮して、夏の時期での購入を検討すると良いでしょう。スポーツメーカーのアンテナショップやランニング系の充実したスポーツショップで最新のアイテムを見ているだけでも練習に対するモチベーションアップの効果が得られますし、レース経験豊富なスタッフとの会話から、貴重な情報が入手できたりもします。一度と言わず二度三度と足を運び、プラスαのパワーをもらいましょう!

※ランニングアイテムについては、カテゴリー別過去記事一覧にある『■ランニンググッズの基本をおさえる』にも詳しく載っています。

さらに、走るカラダをサポートする各種サプリメントやグッズを試してみることもお勧めします。直接エネルギーとなるようなサプリメントは除き、運動での体脂肪燃焼促進や運動後の疲労軽減、故障予防、筋肉量アップなどに効果が期待されるサプリメントは、おおむね1ヵ月以上の継続摂取が推奨されています。逆を言えば、これらはレース本番の直前に慌てて摂取しても効果を実感しにくいのです。レースまで余裕のある今から試し、1ヵ月間を目安に試してどうも自分には合わないなと思ったら見切りをつけ、他に乗り換える。サプリメントを試してみたいけれどなかなかきっかけが…と消極的だった方、暑さで普段の食生活での栄養補給が難しくなり、なおかつランニングでのエネルギー消費量が大きくなる夏場は、サプリメントをチョイスする絶好のタイミングです。
それと同じように、テーピングや着圧系サポーター、携帯音楽プレーヤー、GPSや心拍計、ストップウォッチ等の機能の付いたスポーツウォッチといったランニングサポートグッズを購入するなら、フィーリングや効果の検証、機能を使いこなす時間が十分に取れる今がお勧めです。特に機械モノは、慣れないままレースで使用すると、操作を誤ったときにうまくリカバリーできず、余計なストレスになりかねません。たとえ使いこなせていても、最初の電池切れなどで慌てさせられることもあるので要注意です。ちなみに私は、目標レースの当日朝に、レース終盤のヒザ痛予防のためにテーピングをして走ることを突然思いつき、それまで全く試したこともないのに実行したところ……痛くなる以前にヒザの可動域が狭まってペースがなかなか上がらず散々な結果でした。結局ヒザも痛くなりました…。皆さんはこうしたことのないよう、十分なお試し期間を設けてくださいね。

最後に、秋の目標レースに向けた準備をもうひとつご紹介しましょう。それは「悪天候の日に走る」です。完走や記録更新をめざす目標レース当日の好天は誰もが願うことですが、そううまくはいかないのがマラソン大会の常です。走りやすい良い天候・気候ならラッキー、たとえ悪くても粘りの走りを目指すのが、ランナーとしての正しい心構え。ただし、経験したことのない条件でベストを尽くすのはなかなか難しいので、準備期間のうちにさまざまな天候・気候下でのランニングを実践し、普段との違いを実感しておいてほしいのです。経験しておきたいのは、気温の高い日、低い日、湿度が低く乾燥した日、小雨の日、強めの雨の日、強風の日です。もちろん、体調管理と天候判断には十分気を配り、無理をしないで練習を終えることが鉄則です。たとえ練習時間が短くても、経験しておけばレース当日にむやみに動揺することはなくなるでしょう。

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