保健室|Healthcare

万全な体調でレースに挑め!あの有名トレーナーが
全てのランナーのための体のコンディショニング方法を伝授!

ランナーにとって、カラダの痛みや疲労感で思うように走れなくなることは最もつらいことであり、障害の予防や疲労の回復といった日々の“コンディショニング(体調管理)”はとても大切です。 また、ちょっとした心身への気配りが、ランニングライフをさらに楽しくし、ランナーとしてのレベルアップを促すカギになることもあります。 このコーナーでは、ランニングでの安全性と快適性を確保するための、さまざまな知識と実践方法を紹介していきます。

担当コーチ

吉永孝徳

吉永孝徳

社会人アメリカンフットボールチーム・オービックシーガルズヘッドトレーナー
NATA(全米アスレティックトレーナーズ協会)公認アスレティックトレーナー
日本体育協会公認アスレティックトレーナー
専属チームのトレーナーのみならず、様々なスポーツ業界のアスリート達の
パーソナルトレーナーとしても活躍中


15.続・走り終わった後にアイシングをしよう

流水アイシング

前回は、アイシングに関する基本的な知識と方法をご説明しましたが、今回は別のアイシングの方法をご紹介しましょう。日頃から脚が疲れやすい人や、普段よりも長い距離を走り込んで疲れがたまったときなどにお勧めです。
手順はいたって簡単で、走り終わってストレッチなどのクーリングダウンをしたら、シューズと靴下を脱ぎ、水道水を脚にかけ流し続けます。体温以下に冷やしてしまうと逆効果なので、どんなに長くても10分以内で切り上げることが大切です。ヒザから下にかけるなら公園などの水場を使えばOKですし(ただし、他の利用者の迷惑にならないように注意)、銭湯やランニングサポート施設などでシャワーが使えれば尚良しです。アイシンググッズを必要としないので手軽に行えるはず。ただし、この方法は、運動によって上昇した筋温を平常時の温度にすばやく戻して、筋肉の疲労回復を促すことが目的です。ケガの応急処置や既に脚に故障を抱えている人の予防処置には適していません。筋肉疲労からの回復を促し、その後の日常生活やトレーニングをよりよいものにするための簡易的なアイシングだと考えてください。

コールドスプレーでもアイシングできる?

野球の試合中にデッドボールを受けた選手が、トレーナーから患部にコールドスプレーをかけられているシーンをよく目にします。また、大規模なマラソン大会では途中のエイドステーションやフィニッシュ会場にコールドスプレーが用意されていることもあります。こうしたことから、コールドスプレーが日常のアイシングアイテムとしても使えるのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。
たしかにコールドスプレーは冷却剤として筋肉痛など局部の痛みの軽減に用いられることがあります。しかし、効果が表面的で短時間なので、打撲やねんざなどで突発的に腫れたり、強く痛んだりした際に患部を冷やす応急処置のアイテムとして使われるケースが多いのです。ランニングの途中でコールドスプレーをかけても筋肉痛の緩和は一時的で、しばらく経つと痛みが戻ってきます。たとえばゴール直後にひどい筋肉痛を感じて歩くのも困難、という場合などにかけるのは有効ですが、その後できるだけ速やかにアイスパックや氷のうなどで本格的なアイシングを施すことが必要です。また、転倒して大きなケガをしたり、あまりにつらい筋肉痛に見舞われたら、こうしたアイテムに頼るよりも、メディカルスタッフのサポートを求めることが大切です。

鎮痛消炎剤の湿布・スプレーも活用しよう

コールドスプレーとは別に、筋肉痛緩和の効果が期待できるスプレーも市販されています。鎮痛消炎剤と呼ばれるもので、湿布と同様に成分の局部刺激作用で血流をよくして筋肉疲労や筋肉痛、関節痛などの炎症を和らげる効果が期待できます。水場やシャワーでの流水アイシングや、氷のうやアイスパックを使った本格的なアイシングがランニング後すぐに行えない場合には、応急処置のアイテムとして湿布やスプレータイプの鎮痛消炎剤をあらかじめ持参しておくとよいでしょう。アイシングを終えて帰宅した後に使うのもお勧めです。

■ 過去の記事